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2003年9月26日
UMCK-4054
¥2,548(tax in)
verLine

『踊る大捜査線 オリジナル サウンドトラック5』本人解説

 

01.SAT

 

この映画の台本を頂いた今年の春頃。

映画としてはツカミとも言える冒頭部分は大事な楽曲である。

SATがテロリストが占領した艦船に対して突入するシーン。

 

実はある日。

台本片手に、参考になるような映画や音楽をチラチラ捜していた矢先、止めたDVDの後に突然<ニュース映像>が、、そのときイラク戦争(現実の戦争が)が始まってしまったのです。

 

映画館と同じ音響システムに100インチのスクリーンで視聴できる自宅AV室で、<衝撃と畏怖作戦>のCNNでの映像を見てしまった。あの日の空襲の凄まじさや火災や噴煙、それに爆音などは僕の部屋に響き渡った。

実はその後、この映画冒頭部分の作曲作業が手につかなくなってしまった。

 

そして、仮タイトル<戦闘>が完成したのは、作業全体のはるかに終わりごろである。

 

僕が立ち直って作曲できた理由については、詳しくはまたの機会にしたいが、もちろん<踊る大捜査線>は上記のようなものが直接テーマになっている映画ではないということ、しかし乍ら<青島>のおかげで立ち直ったとも言っておきたい。

 

ハリウッド映画の音楽を完全に意識した作品。僕の創るこの手の楽曲を楽しみにして下さっている皆さんも多いのでしょう。

この件またいつかお話したい。

 

02.R.A.P.Rocks

 

僕、お得意のデジロックですが、この曲に関して言えばクラブ系というよりは、ハンスジマー周りの何人かの作曲家達のスタイルに近いのかもしれません。

皆さんは、洋画邦画、区別なく映画を見に来ているでしょうし、そんななか現代的なスピード感というものは、エンターテイメントにおいては見るひとを安心させる一つの要素なのではと思うわけです。

もはや驚かせるというよりは定番なものとなりつつありますね。

 

ちなみに<SAT>や<R.A.P.Rocks>などの楽曲と編集するとうまく一つの曲に繋がるように、曲のキーやコードを工夫してあるのです。艦船での戦闘シーンや地下を走るシーンなどが効果的になりましたね。

 

03. Negotiator  

 

待ちに待った(かもしれない)<真下>のための楽曲。

 

ネゴシエーターが颯爽と登場すると、<真下>だったという、音楽をカッコよくすればする程、<笑い>が起きる楽曲。こういう新曲があると、登場人物達の<5年の歳月>を感じさせられると思う。

同じフレーズやリズムでも、ちょっとした構築の変化で、<ロック→笑い>のように曲の印象が全然違うものなってしまうという、われながら目から鱗が落ちるというのがこの曲の感想。<真下、雪乃>の短いセリフに合わせた楽曲。

 

こんな音使いは<踊る>っぽさの1つですよね。

 

04.Criminal Sign

 

いわゆる仮タイトル<緊張>ってやつです。

サスペンスドラマでは必須のアイテム、事件が起きるところで使い勝手が良いのです。ミニマルっぽさが気に入っています。

 

05.Sumire ~prologue~

 

この映画の音楽の中心的楽曲のひとつ。

この曲の変奏曲のいくつかで、登場人物(特にすみれを中心に)の心情の経過や物語の展開、時間などを音楽面からサポートしています。

日常のすみれの前半活動部分にこの旋律を流しておくことで、その後のすみれを取り巻く事件が発展したときに同じ旋律を使うことに、意味をもたせることができる。そう、泣かせることもできるのです。

まあ僕たち制作者にとっての手練手管とも言えるのでしょうか。

 

このシーンではすみれや青島は所轄の仕事についての何度か目の深い悩みに入るのです。自分の仕事に対してプライドを持って、金や名誉のためでなく職務を遂行しているすみれさんは、僕は好きです。

<私たちの仕事って>といってドアをバタンと閉めるシーンは、僕のなかでとても好きな場面なのです。

 

06.GIRLS 7

 

湾岸署や婦警さんたちの日常。<CX>の旋律をソフトに編曲したもの。

意外とこういう緩めの種類は<踊る>では少ないのでした。

この曲のエンディングが突然終わった感じがするのは、劇中では<取調室>という曲へと繋がるからなのです。

 

07.TAIKAN

 

文字通り、<退官>です。吉田副総監、そして和久さんが警察官としての人生と、退官について会話する、ちょっと切ない場面です。

アコースティックギターの調べが雰囲気を醸し出しているでしょう?ギターの達人古川昌義氏に何回かのテイクを弾いて貰ったなかで、一番素朴で味がある演奏を選びました。

 

もちろんこれは次曲<UNITY>と同じメロディの楽曲の、アレンジの違うもの。僕は映画を観ているお客さんに、できればそのことに気付いてほしいなと思っていました。どうだったかな?

 

吉田副総監と和久さんが成し遂げ得なかったこと。それを聞いてしまった室井。このことは今、室井と青島へと引き継がれたのです。そして、その室井と青島とが、ついに1つになるときが来る。

その瞬間が次曲である<UNITY>なのです。

 

08.UNITY

 

アコースティックギターの切ない調べであった旋律が、いよいよ大編成のオーケストラで演奏される楽曲へ。

青島が、室井が、湾岸署が一つに。現場のなんということもない一人一人が、その全員が、主役となる感動場面。これこそが<踊る大捜査線>なのでしょう。

 

ここ楽曲については本広監督は思い入れがすごくあって、実際、ここの最初に創ったものを、そののち、大幅に手を入れて作り直した。

監督は非常に気に入ってくれた。

映画音楽はあくまで付帯するものであって、プロデューサーや監督の創りたい世界をサポートするものでなければならない。そういう意味で監督が気に入る作品を提供できることは、僕にとっても素晴らしいことだといえる。

 

09.Faith And Pain

 

僕が、実はモリコーネ好きであることがバレてしまったかも知れない。

 

この主旋律を演奏しているのはオーボエではなくて、イングリッシュホルン。イングリッシュホルンというと、うまく書かないと<蛇使いの笛>みたいなメロディの聴こえ方をしてしまうことがある。でも、切なく聴こえるでしょ、この曲。

 

CDの曲順では前後してしまうのであるが、、、、

 

<すみれ>が犯人に撃たれたシーンでは、淡々としたピアノ曲を使用したこと、それが<俯瞰>からの音楽付けであったことは、どこかで説明したことと思う。

もちろん映画前半部分で<Sumire ~prologue~>を使用したことで、この旋律が、再び耳に入るとき、撃たれる前までの<すみれ>の日常の警察生活やこれまでの事件へ努力や思い出を喚起してもらいたかった。

次に、撃たれた場面のピアノ曲<Sumire>を通して、撃たれた<すみれ>を抱きかかえる<青島>、<沖田>についに反論してしまう和久の、実の娘のような<すみれ>への想い、活動の停止を命ぜられる。

<SAT>、<湾岸署メンバー>の仲間に対する想い、<室井><新城>たち。

ここに通してかかる<俯瞰>のピアノ曲とはいっても、無味乾燥ってわけにはいかない。更に、ピアノ曲<Sumire>はオーケストラ楽曲<Faith And Pain>へと大きく流れていく。お話は大団円へと。

<すみれ>の敵討ちのためにと犯人確保へと活躍する<青島>、<湾岸署>、病室の廊下で落涙する<和久>、ついに立ち上がった<室井>。

ここに通してかかる<Faith And Pain>もまた、<俯瞰>の曲なのです。

しかし、今度は暖かくそして感情の流れを音楽としても造り出したい。あえて、同じ旋律を使って。

 

ここのお芝居や演出をサポートする音楽。

ここの音楽の構築については、本広監督、効果の藤村さんとは本当によく話し合ったのだった。本広監督は、今回の<踊る2>の音楽の基軸であるとおっしゃっていた。

だから、ここ一連の曲たちが出来上がったとき、正直ホッとしたし、また我ながら、出来上がった歓びも噛み締めたのだった。

 

 

映画における、このあとの<JESUS version>についても<RAP4>収録。

 

そう、この<JESUS>も、とても大事な楽曲です。

この楽曲については、まだテレビシリーズであった7年前、亀山プロデューサーからの作曲オーダーにより、創ったもの。

テレビシリーズの10話に使用されているのはご存じですね。

 

そう、今回のオーケストラヴァージョンもまた、亀山プロデューサーからのオーダーなのです。

この映画の最終的大団円、<青島>の犯人確保、<室井>の男気、<市民の献血>などのシーン。映画をご覧になっている皆さんが大団円を味わえるように、華やかで大きな世界の盛り上がりを創るよう心掛けました。

しかしながら、切ない感じもあるようにも感じるように。

2時間の映画に、映画音楽として、事件解決の満足を与えるような役割を受け持っています。オーケストラの醍醐味を味わってくだされば、と思います。

 

10.Brave the Way

 

これ、意外と人気曲のようです。

<青島><すみれ>が上司<沖田管理官>の命令で、本来の<所轄>業務行うの

を中止する(パーティー会場にて)。 このような経験を、1度や2度は味わったことがあるということでしょうか?

 

仮タイトル<勇壮>でした。もともとは別のシーンに向けて創ったものでした。

 

11.危機一髪2

 

毎度お馴染みの<危機一髪>がヴァージョンアップしたもの。

事件が最高潮に達するときのパワー曲。

おりゃァ!レインボーブリッジ封鎖だぁ!!

 

ニュース番組のBGMなどでかかる機会も多いですよね。

 

12.Sumire

 

さて、演奏しているピアノですが、映画館で耳を凝らすと、ピアノのエコーが空間を飛びかっているのがわかりましたか?このピアノがかかるシーンの直前、無音になりますよね。

無音からピアノが始まるので、5.1システムを活用するのが効果的でした。

 

ピアノのエコーの中に、身を(耳を)うずめながら、この場面の感動を味わってくださいね。

 

13.C.X.(Orchestra Version 2003)

 

7年前<踊る>のテレビシリーズ当初は、フジテレビ全てが河田町からの引っ越しする前、建設したばかりのお台場新社屋に、<湾岸署>のセットを組んで撮影をしていたのです。

そして第一話冒頭、新任の<青島刑事>が<湾岸署>に出勤するシーンに、この楽曲が初めて使われました。

そこから、この楽曲は、安易に<C.X.>と命名されてしまいました。

今やこの<題名>も見事に定着。お馴染みとなったこの曲です。

 

14.B.T.R.B.

 

<青島>が レインボーブリッジを走るシーン、僕が最初に貰った、編集前の映像はCGが入ってなくて<青バック>のところを<青島>が走ってました。

そう、みるみるうちにCGでレインボーブリッジが出来ていきました。

 

 

<踊る>特番、ご覧になりましたか?見逃した方は残念でしたね!

<わさびラーメン>うまそうでしたね。

 

15.Love Somebody~memories~

 

この曲でこのアルバムはおしまい。

みなさん、お疲れさま。

お休みなさい。鐘の響きに癒されてくださいね。さようなら。

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